戦前の日本では結婚相手は親が決めるお見合いが主流でした。

古い時代から恋愛結婚をしている人はいなくはありませんが、「恋愛結婚」という言葉ができたぐらいなのでその数は少なくまれな存在でした。

それが一昔前にはお見合いで結婚をする人の割合よりも恋愛結婚が主流となり今に至りますが、今の時代はその先を行き、ただの恋愛結婚ではなく、婚活をすることによってより自分の理想の条件に合った結婚相手を探して結婚する人が増えています。

婚活と一言でいっても実に色々な方法があるのですが、誰でも気軽に参加できるものとしてイベント型婚活が人気です。

婚活というと結婚相談所のようなところに登録して、高い入会金や月会費を払い、時間もお金も費やして初めて結婚できるという印象がある人が多いかもしれませんが、今の時代の婚活はもっとライトで誰でも気軽に参加できる形式が沢山あります。

その中で一般に広く知られているのはパーティーです。

お見合いパーティー、婚活パーティーなど呼ばれ方はいくつかありますが、独身で結婚相手を探している男女が集うパーティーで、そのイベントの目的はズバリ「出会い探し」です。

婚活パーティーと結婚式の二次会や会社の記念パーティーなどの違いは出会いを提供するか否かで、パーティーという名は共通していても中身は全く違います。

婚活パーティーの場合は参加者たちが全員と自己紹介をし合う自己紹介タイムがあり、そしてフリータイムに気になる人ともっと話をすることができ、最後に気に入った人を主催者に告げ、カップリングするか否かの結果発表タイムが設けられます。

この流れは司会者によって仕切られるため、参加者は主体的に動くのではなく、司会者の仕切りによってスケジュール通りに過ごすような流れとなるため、一般のパーティーのように自由に好きな相手と話し、親睦をはかるというものではなく、まさに出会いのための集まりといえます。

婚活パーティーは何年も前から広く扱われているので、婚活といえば結婚相談所か婚活パーティーか、というぐらい数々ある婚活方法の中でも主流の位置を占めている媒体です。

しかし、近年では婚活パーティーもただ単に集まってそのような流れのパーティーをするだけではなく、さらに一歩進んで趣味を楽しみながら婚活ができるイベントが人気を得ています。

これは文字通り何らかの趣味をするために男女が集まり一緒にそれを行う婚活の一種なのですが、ただそれを楽しむだけではありません。

単にそれを楽しむだけだとただの趣味サークルとなり、わざわざ婚活イベントと銘打つようなものではありません。

趣味に特化した婚活イベントは「婚活イベント」として発信されているもので、結婚相手を探したい男女が出会いを求めて集まる場になっています。

集まった男女はその趣味を楽しみながらも、婚活パーティーの時のようにしっかりと場を仕切る司会者が入っているためイベントを楽しむ時間の中にもしっかり自己紹介をする時間や、隣にいる一人だけではなく色々な人とまんべんなく話ができるよう仲介してくれます。

また、普通の婚活パーティーだと初対面の異性と何を話せばよいのかわからず疲れてしまうという人も多く、パーティー独特の雰囲気が苦手で参加を躊躇してしまうという人も実は多いのですが、趣味を楽しめるイベントならば自分の興味があること、好きなことを楽しむことができます。

その上、結婚を希望している異性との出会いの場でもあるのでまさに一石二鳥です。

何を話したらいいかわからないという人も、同じ趣味を楽しむ仲間としてイベントに参加している異性ならば共通の話題も豊富にあり、一緒に何かを成し遂げたり、一緒の空間を過ごすことで連帯感も生まれてお互い心が開きやすい環境も知らず知らずに出会いをバックアップしてくれます。

また、この種のイベントは、異性だけではなく同性同士も打ち解けて話すきっかけが多いため、結婚相手探しと共に趣味を通じた友達ができることも多く、その後はグループデートのようにわいわいと数カップルで一緒に楽しめることにもつながり、男女の出会いはもちろん、共通の友達もできるイベントとして高い人気を誇っています。

趣味を楽しみながら婚活ができてしまうイベントとして人気なのが「共同作業」系です。

その名の通り、男女が一緒に何かをするということですが、共同作業をすることで自然と会話が進み、意識せずに気付けば仲良くなれていたという嬉しい効果があります。

具体的には料理、音楽、陶芸などです。

料理は最も一般的な趣味婚活といってもいいかもしれませんが、料理好きの男女が集い一緒に料理をします。

多くの場合は1テーブル6人(男3女3)ぐらいで、学校の調理実習のように課題の料理を作っていきます。

テーブル全員で一つの料理を作る場合もあれば、ペアになって小さな料理をいくつか作る場合もあり、その場合は料理ごとにペアを組み替え色々な人と接することができるよう配慮されている場合が多いです。

はじめにテーブルに着いた時には参加者は初対面なので緊張感が漂っていても、一緒に料理を作るうちに役割分担や「これはこんな感じでいい？」などとやり取りを自然としていくため、料理が出来上がる頃にはすっかり打ち解けた空気になっています。

料理を作ったあとはテーブルについて皆で試食を楽しみますが、一般的に初対面の出会いの場だとテーブルについてしばらくは皆が様子を見ながらよそよそしい時間があります。

でも、料理イベントの場合は既に調理過程で皆が打ち解けているので、着席して試食(食事)をする際には自然と会話が弾み楽しい食事会に移行できるのがメリットです。

音楽婚活イベントは、楽器を一緒に演奏することで親睦をはかり出会いに結びつくというもので、スタジオを借りて開催されます。

集まった男女は即席のバンドを結成し、スタジオを借りている時間(2時間が多いです)、練習をして演奏を仕上げます。

楽器演奏という共通の趣味を持っているので、まず初めから会話が弾みやすく、またバンドの役割分担や選曲など、話すことは山ほどあります。

話し合いをしていくうちにお互い気付けば心を開いていて、そして同じバンドで同じ曲を演奏することでより一体感が強まります。

音楽婚活イベントに参加する男女は特にレベルを指定して募集しているわけではないので腕前には上下の差が出ますが、うまい人が他の人に技術を教えてあげたり、色々と説明してあげることでそこでまた親睦が深まるため、より一層仲良くなることができます。

そして陶芸婚活イベントも人気です。

陶芸は趣味としても人気が高いので、婚活でなくてもやってみたいという人が多い趣味の一つです。

その人気の陶芸を出会いを求めた男女が集い、一緒に楽しむのが陶芸婚活イベントで、先生の指導を受けながら個々に一つの作品を作っていきます。

ただ作品を作るだけではなく、近くにいる参加者たちと話し、親睦を深めながら作っていくのですが、陶芸は陶芸セラピーという言葉があるぐらい心を癒してくれます。

柔らかい土の感触を手のひらに感じながらゆっくりとこねていく作業や、集中してろくろを回す作業をしていると知らず知らずのうちに心がリラックスして開放的な気持ちになるといいます。

そんな癒されリラックスした状態で参加者たちと楽しく話ながら和気あいあいと作品を作りあげ、出来上がった作品をお互い見せて品評しながら達成感を分かち合える、そんな贅沢なゆったり空間での婚活は人気を得ています。

その他にも絵画や漫画を皆で描くイベントや、一緒にコンサートにいき、その後に感想を言いながら食事を楽しむ音楽鑑賞会なども共同作業系で人気です。

これらの婚活イベントは既にその分野で技術がないと参加できないわけでは無くて、必ず指導してくれる先生がつくので初心者でも気兼ねなく参加することができるのもポイントです。

初心者の場合は上級者の参加者に色々と教えてもらえて、そこで親睦を深めることもできるのでそれもねらい目です。

なによりも共同作業により連帯感が生まれて絆が深まるのが共同作業系の特徴で、作業をしているうちに知らず知らずのうちに会話が弾み、気付けば仲良くなっているという自然な流れができるのも大きなメリットです。

まったりと室内で何かを作る作業があまり得意ではない人にはアウトドア系の婚活イベントがオススメです。

アウトドア系で人気なのは、バーベキュー、ハイキング、野球やサッカー観戦、または実際に自分がプレイしてしまうスポーツ婚活もあります。

バーベキュー婚活は趣味イベントの中でも婚活パーティーに近い流れといえるかもしれません。

バーベキューを楽しみながら男女が集い、わいわいと楽しく過ごす流れとなります。

知らない人同士でバーベキューをしても緊張するだけでは？と思う人もいるかもしれませんが、ちゃんと主催者が入って自己紹介タイムなど通常のパーティーのように出会いの場をセッティングしてくれるのでそれは心配ありません。

同じことを室内のパーティー会場でするよりも、開放感あるアウトドア空間で行うことでカジュアルな雰囲気になり、参加者もリラックスして打ち解けやすいメリットがあります。

また、お肉や野菜を焼いたり、飲み物を配ったりすることで参加者同士のコンタクトも取りやすいので打ち解けやすい空間ができており、なにより屋外でバーベキューを楽しむという特別感を楽しむことができるのが魅力です。

ハイキング婚活イベントもアウトドア系の中ではメジャーな存在です。

「山コン」と呼ばれることもありますが、ハイキングや登山が好きな男女が集い、ハイキングを楽しみながら色々な参加者たちと自己紹介を繰り返し親睦を深めながら過ごすというものです。

「山」といっても真剣な山登りではなくハイキングが楽しめるぐらいの山で、関東なら高尾山のような一般観光客でも楽しめるようなレベルの山で行われることがほとんどで、山初心者でも問題なく参加することができます。

ハイキングや山歩きが好きな人が集うので、同じ趣味を共有する人と出会うことができ、「次は〇〇に行きませんか？」など次のデートの約束もしやすい環境もあって、ハイキング婚活イベントは成功率も高く人気となっています。

そして野球やサッカー観戦イベントも人気です。

これらは実際に自分がスポーツが得意でない人も楽しめるアウトドア系で、野球場やサッカー場独特の熱気あふれる雰囲気の中で一緒に盛り上がる一体感が特徴です。

同じ鑑賞系だと先に挙げた音楽鑑賞イベントも有りますが、あちらの場合は鑑賞自体は個々に楽しみ、その後に感想を言い合って楽しむのが一つの醍醐味です。

しかし、スポーツ観戦イベントの場合は観戦中の応援合戦を他のファンやサポーターたちと一体になって盛り上がる会場一体型の楽しみ方が特徴です。

また、出会ったばかりの男女が野球やサッカーなど同じスポーツが好きな場合、試合数が多いのでシーズン中は頻繁に試合を見ることができて、会話のきっかけも多く、デートに誘う口実にもなるので相性抜群でカップル成立する確率がグンと上がります。

贔屓の球団やサッカーチームの選手の話や、試合自体についても数々の共通の会話ができるので、試合中にも一緒に楽しむことができ、その後も試合を振り返って楽しく会話を楽しむことができ、しかも「また試合に一緒に行きましょう」と誘いやすくなるためスポーツ観賞はアウトドア系婚活の中でもオススメです。

観賞に留まらず、実際に男女でスポーツを楽しむ趣味婚活も有ります。

野球、ソフトボール、フットサルなどフィールドを使ってしっかりと試合を行うものから、円陣バレーボール、ドッチボール、鬼ごっこなど遊びに近い形のライトなスポーツ系まで様々です。

これらスポーツ系は一緒に一つのスポーツに取り組むことで連帯感が生まれるので短い時間の間にぐんと距離が縮まり仲良くなれるのが特徴です。

社会人になるとなかなか体を動かす時間が作れない人も多いので、婚活をしながら体にも良い運動ができるという一石二鳥の側面もあります。

このように様々な趣味婚活がありますが、どれもただ出会いを求めに出向くだけではなく、同時に趣味が楽しめるという副産物があり、さらに同じ趣味を持った異性と出会えるというプラスαもあるお得感の強いイベントです。

まとめ

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